2020年4月に施行された派遣法改正に続き、また2021年にも派遣法が改正されるようです。
Webサイトへ来られたお客様への情報提供として、今回改正されるポイントについて整理いたしました。
今回、改正の対象は、労働者派遣法に関する施行規則(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則)と指針(派遣先が講ずべき措置に関する指針及び派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針)の2つです。
改正のタイミングは、2021年の1月と4月の2回に分かれており、改正のポイントは6つあるようです。
以下、それぞれの内容について説明いたします。
2021年(令和3年)1月1日に適用される4項目
2021年(令和3年)4月1日施行される2項目
2021年(令和3年)1月1日には、以下の指針の改正が適用されます。
以下、詳細についてご説明します。
【対象】派遣先企業
派遣労働者からの労働法令(労働基準法・労働安全衛生法・育児休業・介護休業等)に関する苦情について、派遣先も誠実かつ主体的に対応する義務を設ける。
派遣労働者は派遣元の雇用ではありますが、平成30年改正の同一労働同一賃金に関する派遣労働者の待遇改善の内容に沿って強化された改正と推察されます。
【対象】派遣元企業(派遣会社)
日雇派遣での休業手当の支払いを厳格化
労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合について、派遣元は、新たな就業機会の確保ができない場合も、休業手当の支払等の責任を果たすべきことを明確化
また、2020年7月14日に出された「労働者派遣制度に関する議論の中間整理」でも日雇派遣について、「必要な雇用管理の取組が適切に行われるよう、日雇派遣を行っている派遣元事業主等に対し、厳正な指導監督を行うことが必要」とされていることから日雇派遣の事業環境は厳しくなってきています。
【対象】派遣元企業(派遣会社)
派遣労働者の雇入れ時の説明を義務付け
派遣労働者に対する雇入れ時に教育訓練計画、希望者に実施するキャリアコンサルティングの内容の説明を義務付ける。計画の変更時も同様とのこと。
「中間整理」では、「派遣元事業主における教育訓練の実施体制は整備されていると見られる一方で、派遣労働者の実際の受講状況は低い水準に止まっている」とし、「派遣労働者が自身の希望に沿ったキャリアパスを歩むことができるよう、キャリア形成支援の充実を図ることが重要」とされています。
【対象】派遣先・派遣元
派遣(個別)契約書の電磁的記録も認める
書面による締結のみであった派遣先との派遣契約に関する書類も電磁的記録を認める。とのことです。
以前までは、派遣労働者への労働条件・就業条件明示や派遣元管理台帳、派遣先管理台帳はもともと電磁的な記録が認められていましたが、今回で契約書類も認めることになりました。2015年から改正されている電子帳簿保存法の流れに沿ったものと推察されます。
2021年4月1日には、労働者派遣事業の適正な運営の確保および派遣労働者の保護等に関する法律(通称、労働者派遣法)施行規則が改正されます。
以下、詳細についてご案内します。
【対象】派遣元(派遣会社)
雇用安定措置について派遣労働者の希望を聴く
雇用安定措置を講ずるにあたり、派遣労働者の希望する措置の内容を聴取する。その聴取結果を派遣元管理台帳に記載すること。
雇用安定措置とは・・派遣元事業主は、派遣就業見込みが3年であり、継続就業を希望する有期雇用派遣労働者について、以下のいずれかを実施することが義務付けられています。
【対象】派遣元(派遣会社)
マージン率のインターネットによる開示の原則化
派遣法第23条第5項の規程により、情報提供の義務がある全ての情報について、インターネットの利用、その他の適切な方法により情報提供することを原則化。
ちなみに、労働者派遣法第23条第5項のマージン率等の情報提供すべき事項は、以下のとおりです。
マージン率とは・・・(派遣料金の平均額-派遣労働者の賃金の平均額)/(派遣料金の平均額)
上記のように派遣労働者の待遇改善のため、派遣法の改正が続きそうです。
また最新の情報について注視する必要がありそうですので、当サイトでも随時新情報がでましたら、公開してまいります。
また、日々紹介のメリット、デメリットについても整理し、デメリットを解決するため開発した、当社の日々紹介サービスについて紹介いたしました。
このページがお客様のお役にたてば幸いです。
参考記事
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